僕が長らく愛用してきたNECのパソコン「PC-9800シリーズ」でお世話になったOS「MS-DOS」を、Windows上で動くエミュレータ上に復活させてみよう!という企画の第2弾です。
今回は前回の続編、MS-DOSの環境を作っていく最初の準備作業の様子を紹介していこうと思います。
DOSシェルは使いにくい!
まずは前回作成した環境を起動させます。
DOSシェルが自動で起動する設定になっているため、まずはこの画面が開きます。今回は表示メニューの「1ファイル・リスト」を選択した場合の表示にしてみました。Windowsのエクスプローラ風ですね。
マウスも使えるので、ドラッグ&ドロップでコピーでも出来るのかな?と試しましたが、そういった機能は搭載されていませんでした。右クリックメニューもありません。
Windowsに慣れてしまっていると、逆に使いにくくてたまらないので、MS-DOS専用のファイラーと呼ばれるソフトを使うことにしました。
ということで、実機でも大変お世話になったファイラー「HF」を、実機のハードディスクイメージから取り出して、この環境へインストールしていきますよ。
自動起動ファイルの編集
使いにくいDOSシェルを、[Grph]+[f4]キー(エミュレータでは [Alt]+[f4])で終了させ、DOSプロンプトの画面にします。
まずは、MS-DOSの自動起動設定ファイル「AUTOEXEC.BAT」を編集するためにエディタを起動させます。
プロンプト上で「SEDIT AUTOEXEC.BAT」と入力してリターン(Enter)キーを押しましょう。
このようなテキストエディタが開き、AUTOEXEC.BAT の中身が表示されています。編集する場所は2カ所あり、上記画像の2行目と3行目、そして6行目から8行目までの部分です。
MS-DOSインストール直後の状態では、上記画像の2行目はありません。なので、1行目の「@ECHO OFF」の下に 1行挿入します。
「PROMPT $P$G」
意味は、MS-DOSのプロンプトの表示形式を、現在のカレントディレクトリにするというもの。
初期状態では「A>」のようになっていて、カレントドライブしかわかりません。これだと現在の位置がわからず不便ですよね。
次に編集するのが3行目の「PATH」の部分。これは、カレントディレクトリに存在しない実行ファイルでも、ここに設定されたディレクトリの中身を調べて、見つかれば起動してくれるというものです。
初期状態では「PATH A:\DOS;A:\;」となっています。MS-DOSのコマンド類がどこのディレクトリにいても起動できるのは、この設定のおかげです。A:\DOS の中にコマンド類の実行ファイルがありますからね。
このパス設定に、これから作成するファイラーが置かれるディレクトリを含めてあげることで、どこのディレクトリにいてもファイラーが起動できるようになり、利便性がアップします。
追加された形の3行目は次のようになります。
「PATH A:\DOS;A:\;A:\TOOLS;A:\TOOLS\FILER;」
最後は6行目から8行目まで。
ここではマウスドライバを起動させてDOSシェルを起動、戻ってきたらマウスドライバを解放という流れが書かれています。
DOSシェル自体を起動させないようにするので、この3行はバッサリと削除してしまいましょう。
結果、AUTOEXEC.BAT の中身は5行になりました。
[f10]キーを押して終了メニューを開き、文書保存&エディタ終了させれば、自動起動の設定はひとまず終了となります。
ファイラーの置き場所を作る
終了してプロンプトに戻ったら、次の順にコマンドを実行していきます。
- MD TOOLS
- MD TOOLS\FILER
MDコマンドでディレクトリを作成できるので、最初のコマンドでは「TOOLS」というディレクトリが作られ、次のコマンドでその TOOLS内に「FILER」というディレクトリが作られることになります。
上記画像のように、作成後は CDコマンドで作ったディレクトリへ移動、DIRコマンドで確認しています。
ここまでくればファイルの設置場所も完成したので、先ほど編集した自動起動を反映させるため、リセットボタンで再起動させるのですが、その前にエミュレータ側のハードディスク2台目の部分に、ファイル転送元となるハードディスクイメージをセット。これで準備完了です!
では、いざリセット!MS-DOSが再起動しますが、今度はDOSシェルは起動せずにプロンプトで止まります。
ファイラーを実機HDDイメージから転送
まずは入力待ちのプロンプトが変わりましたね。
「A>」から「A:\>」に見た目が変わっています。これで、現在のカレントディレクトリがわかりやすくなりました。
さあ、次はファイラーのフリーソフト「HF」を、実機のHDDイメージからコピーすることにしましょう!
接続されている実機のイメージドライブは、僕の環境では Fドライブに割り当てられていますので、そこからディレクトリまるごとコピーします。
その際に便利なのが、MS-DOSコマンドの「XCOPY」です。
上の画像は XCOPYコマンドのヘルプ表示。これを元に入力したコマンドが以下の内容となります。
「XCOPY F:\TOOL\FILER A:\TOOLS\FILER /S /E」
意味としては、Fドライブの\TOOL\FILER ディレクトリの中身を、Aドライブの\TOOLS\FILER ディレクトリの中へ、丸ごと全てコピーしてください!というものになります。
実行すると、コピーされているファイル名がずらずら~っと流れていき「コピーしました」のメッセージで終了します。
Windowsならマウスであっさり終わる作業も、昔はこのような感じでコマンドを入力してコピーしていました。面倒でしたねぇ。
懐かしのファイラーを起動!
ではいよいよ、今コピーしたファイラーを起動させてみます。
最初にパスの設定を済ませてあるので、もうどのディレクトリにいてもファイラーが起動できる状態になっています。
プロンプト上で「HF」と入力してリターンキーをプッシュ!
無事起動させることができました~♪
フリーソフトの超万能ファイラー「HF」、久々の登場!PC-9800のMS-DOS時代には大変お世話になった、とっても便利なツールです。
DOSシェルとは比べものにならないですねぇ☆
ついさっき使用した XCOPYのような作業も、ディレクトリを選んで [C]キーを押すだけで実行できます。
ファイルのリネームやコピー、削除などの基本操作も全てOK。実行ファイルの起動もできます。使うエディタを登録しておけば、直接ファイル編集エディタを開くこともできます。
このソフト1つあるだけで、一気にファイル管理が楽になるので、今回最初にインストールという形で紹介してきました。
次回は?
無事にMS-DOS用ファイラーのインストールも終わったので、次は何かゲームソフトをインストールしてみようかなと思っています。
PC-98シリーズは名作ゲームも多いですからね。手持ちのゲームのみではありますが、お気に入りの作品を紹介していきたいと思います。
では、次回もお楽しみに~♪
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